2015/11/11

読書の春

今年初旬、アメリカから帰国してすぐに書いた記事で保存したまんまのを発見して、今読んでみるとおもしろかったのでアップ。

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今更ながら、2015年’s new years resolutionは「読書をいっぱいすること」です。


今までも図書館大好きっ子だったから((本が好きなのではなくて、あくまでも図書館に居ること))よく本は借りてたけど、だいたいフィルムアナリシス的な本ばかりで小説は高校生の時に大ハマリしたトワイライト以来何も読んでなかった。

今年最初に読んだ本は恩田陸の「MAZE」。
友達におすすめされてたのを思い出してアメリカ行きの飛行機の乗り継ぎの時の暇つぶしにでもなれば、と思って日本で買って行ったんだけど、乗り継ぎがサンフランシスコで7時間、シカゴで4時間(+飛行機の中で合計13時間ちょい)とたっぷり時間があったにも関わらずとても本なんか読める心境じゃなくて全く読まず。

たまたま今日読んでいた椎名誠(現在、私の中で大ヒットしている作家)の「あやしい探検隊アフリカ乱入」の中で、空港のロビーで乗り継ぎのために24時間過ごさないといけないという時に、それ用に持ってきた本を読もうとしたのだけれど、「やはり旅というのは目的地に向かうあいだ、どこか自分でもわからないところで心苛浮きたっているところがあるのだろう。いくつになっても、どんな旅をしても、未知の場所に進んで行く過程というのはいい気分のものだ。だからぼくはかなりの時間、本を胸の上に置いてロビーの中をながめていた。」と書いてあってすごく共感した。まあ、私は初めての一人飛行機だし、若造だし、旅といえる旅なんかしたこともないし、ただ緊張してただけだろうけど。

で、買ったMAZEは米国滞在中に読んだ。読んでた時のことはよ〜く覚えてる。あれはちょうど”華金a.k.a.ティージーアイエフ”の晩...ルームメイトの一人である中国人のイェベイは夜行バスでNYマンハッタンへ、もう一人のベラルーシ美人のリサは男達を引き連れて夜な夜なパーティへ、隣の部屋からはYo!Yo!言ってるヒップホップが、下の階からはラティ〜ノアメリカンスパニッシュグラシアスグラシアスな音楽がガンガン鳴り響いてきて”これぞアメリカ!大学生!T.G.I.F!フォーーー!!!”感が半端ない間、わたしは部屋で一人きり、ひたすら読書をしていた。

あの時悟った。「あ、これが本当の、世間一般が嫌悪し、皆、自身が呼ばれないよう必死になる、”LOSER”というものか」と。
あのルーザー感は日本に居る限りなっかなか体感出来ないと思う。あのパーティ大国アメリカの、しかも大学生の、しかも寮、でしか味わえない、孤・独・感!ま〜いい体験だったけどね〜!!(まるでパーティに参加したような語りぶりやけどあくまでもパーティ騒ぎを聞きながら部屋で一人で過ごす、という体験)だから、日本では誇りを持って着ていたSUBPOPのLOSERティーシャツも、向こうではとても着れなかった。でもね、精神的ダメージは全然なかったので、私の体験したルーザー感というのはまだ人と私の間には壁が存在したので間接的であって、本当の、真の、”ルーザー”になり得るのは”実際のパーティ会場という壁のない場で一人でいる”ことだと思う。  -2015/3/21






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